よくある質問
茶そのものに関する事項
1.お茶はどの植物と同じですか
お茶は、カメリア属でツバキの仲間です。
2.お茶は何種類ありますか。
お茶のわけ方は、色々あります。
A.品種 中国種、アッサム種に大別し日本は中国種です。中国種には品種
B.製茶法 不醗酵茶(緑茶)、醗酵茶(紅茶)、半醗酵茶(ウーロン茶)。
緑茶には、玉露、かぶせ茶、煎茶、柳茶、ほうじ茶、雁ケ音など
多くの種類があります。
C.生育法 被覆茶(かぶせ茶)、路地茶(煎茶、柳茶)。
緑茶には大きく分けると、収穫の前に被覆される「かぶせ茶」と被覆されない「煎茶」に分けられます。
「かぶせ茶」は、抹茶や玉露になり市販されています。
「煎茶」のうち形が大きくなったものは柳茶と言われます。
また秋に収穫されるものは番茶といわれます。
それらのお茶の成分を分析すると下記のような結果となります。
茶の種類 |
|
全窒素%. |
カフェイン% |
遊離アミノ酸mg/100g |
タンニン% |
玉露 |
上級 |
6.31 |
4.04 |
5.36 |
10.78 |
|
中級 |
5.48 |
3.10 |
2.73 |
13.40 |
|
下級 |
5.18 |
2.90 |
2.64 |
14.10 |
抹茶 |
上級 |
6.36 |
3.85 |
5.80 |
6.50 |
|
中級 |
5.85 |
3.51 |
4.61 |
6.20 |
|
下級 |
5.38 |
3.23 |
3.40 |
6.50 |
煎茶 |
最上級 |
6.03 |
3.49 |
3.53 |
12.90 |
|
上級 |
5.48 |
2.87 |
2.70 |
14.70 |
|
中級 |
5.35 |
2.80 |
2.18 |
13.30 |
|
下級 |
4.45 |
2.77 |
1.46 |
14.50 |
番茶 |
|
3.83 |
2.02 |
0.77 |
12.45 |
この分析結果をみると、
1.全窒素の多いものが一般的には上級なお茶です。
2.遊離アミノ酸(テアニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、
アスパラギン酸アルギニンなど)は、
旨みの成分で多いほど旨みが多い茶となります。
3.タンニンは、渋味ので成分で、今までは、多いものは下級とされましたが
最近の研究でタンニンのなかのカテキンが体に良いことが分かりました。などの特徴があります。
お茶の味は、一般的にアミノ酸の旨みとタンニンの渋味のバランスでたもたれており、この微妙なバランスでお茶の味覚は大きく変化します。
それでは、なぜ玉露などの被覆されたお茶は、テアニン、グルタミン酸などアミノ酸が多くなるのでしょうか。
お茶を収穫する前に黒い覆いをかけると「あじ」や「色」が良くなる理由は、お茶は、根っこから養分を吸って、根でテアニンと言う成分を作ります。
そのテアニンは、茎を通って葉に運ばれ光を受けて光合成をします。その時テアニンはカテキンに変化します。
テアニンはアミノ酸の一種で旨みがあり、カテキンには渋味があります。
黒い覆いをすると光合成が抑制され、テアニンからカテキンへの変化が遅くなり、その結果、葉のテアニンの量が増えます。
そのため、黒い覆いをすると味が「まろやかな旨みを持った味」になります。
また、覆いをすると葉緑素の量も増えるので緑が濃くなります。
本来の玉露は、1ヶ月程度被覆をするので年1回の収穫しかできません。
そのため、一般のお茶に比べ価格は高いものとなります。
そこで玉露の風味を安価に提供するために、簡易被覆で、被覆期間も1~2週間による「かぶせ茶」が考えだされました。
「かぶせ茶」は、被覆期間が短いため年2回収穫することができます。
したがって提供できる価格も玉露にくらべ安価にすることができます。
しかし、残念ながら1週間程度の被覆では、本来の玉露なみのアミノ酸の量にはなりません。そこで、不足している、アミノ酸を強化することによって本来の玉露に近い商品とすることが可能となります。
市販されている玉露などの中には、アミノ酸を添加することによって茶の味のバランスを整えたものも市販されています。
3.お茶の原産地はどこですか。
中国雲南省付近だといわれています。
4.お茶は世界中どこでも栽培されていますか。
ほとんどは、東南アジアで栽培されています。
紅茶の盛んなイギリスなどヨーロッパでは生産されていません。
5.お茶の花はいつ咲きますか
お茶にも花が咲きます。秋になると白いかわいらしい花が咲きます。
しかし、茶農家は、茶園にいっぱい花が咲くことを喜びません。
それは、よわっている茶園はたくさんの花が咲くからです。
十分に元気な茶園は、そんなにたくさんの花が咲かないのです。
それに、実もできます。ビー玉ぐらいの茶色い実ができます。
当然、実を蒔くと芽がでて茶ノ木になります。
茶の歴史に関する事項
1.日本にお茶が伝わったのはいつですか。
奈良時代には製品としてのお茶が伝えられました。
また平安時代の初期にも伝えられ一時流行しました。
鎌倉時代に、栄西が武家に広めました。
2.水沢にお茶が伝わったのは
平安時代の始めに空海が伝えたとの伝承があります。
また、江戸時代の後期に常願寺の住職中川教宏が宇治から茶師などをまねき
茶を再興しました。
3.外国に輸出していますか
最近では、ほとんど輸出していまっせんが、
明治時代にはとてもたくさんのお茶を輸出していました。(特にアメリカへ)
4.外国から輸入していますか
ウーロン茶や紅茶は、ほとんどすべて輸入しています。
また、最近では緑茶も中国やベトナムなどから輸入されています。
茶の生産に関する事項
1.水沢でお茶が盛んになった訳は
A.土地が、茶に適していた(水はけの良い土地)
B.気候が、茶に適していた(平均気温15度程度・雨量が豊富)
C.生産を支えた多くの人々がいた
2.お茶は何年で採れますか。
およそ10年ほどかかります。
A.さし穂で、茶苗を作ります(2~3年かかります)
B.苗を茶園に植えます(苗を5~8年育てると一人前の茶園になります)
3.お茶の木はなぜかまぼこ型をしているのですか
A.仕事がしやすい様に
B.全体に太陽の光が当たるように
C.風や雪などの影響を受けない様に
4.摘み取りはどうするのですか
昔は、手で一枚づつ摘みとっていました
昭和の始めに茶刈はさみが導入され
昭和40年ころからは2人用の茶刈機が導入されています。
最近では乗用の茶刈機も導入されています
5.お茶の生産量は
全国の生産量は91200トンで
1位静岡県は41000トン
2位鹿児島は18300トン
3位三重県は 7630トン
4位宮崎県は 3120トン
5位奈良県は 3020トン
6位京都府は 2990トンです。
6.黒いカバーをつけると「あじ」や「色」が良くなる理由は。
お茶は、根っこから養分を吸って、根でテアニンと言う成分を作ります
そのテアニンは、茎を通って葉に運ばれ光を受けて光合成をします
その時テアニンはカテキンに変化します。
テアニンはアミノ酸の一種で旨みがあり、カテキンには渋味があります。
黒い覆いをすると光合成が抑制され、テアニンからカテキンへの変化が
遅くなり、その結果、葉のテアニンの量が増えます。
そのため、黒い覆いをすると味が「まろやかな旨みを持った味」になります。
また、覆いをすると葉緑素の量が増えるので緑が濃くなります。
7.防霜ファンはどれだけあるか
水沢で約7500本くらいです。
組合に関する事項
1.職員は何人いますか
24名です
2.どんな仕事をしていますか
A.生産の指導をする
B.茶の値段を決め問屋などに販売する
C.茶を冷蔵に保存する
D.荒茶を葉、茎、粉に分ける仕上加工をする
3.なぜ冷蔵庫に入れるのか
茶は、水分が5%以下にまで乾燥してあるので腐ることはありませんが、時間とともに色、味、香りが悪くなります。それを防ぐために冷蔵に入れます。
4.冷蔵庫の広さは、どれだけ入っているか
水沢茶農業協同組合には冷蔵庫は3棟あります
広さは 入る本数(30kg)
第一冷蔵庫 937.28㎡ 約25000本
第二冷蔵庫 930.94㎡ 約12000本
第三冷蔵庫 1110.24㎡ 約12000本
5.冷蔵庫の温度は
0度~5度程度です
6.一年に何円売れるのか
茶農協で取り扱われるのは約30億円です
7.いつ組合はできましたか
昭和33年12月にできました
8.組合員は何人いますか
四日市市・鈴鹿市で411名です(平成12年1月末現在)
お茶作りの後継者はいますか
昔に比較すると、茶農家の数は減っています。
しかし、茶の栽培されている面積は減っていません。
では、どうなったのでしょか。
個別の茶農家の栽培する面積が増えたということです。
お茶を栽培する農家は、製茶加工場を持っています。この加工場の維持管理経費は、相当の費用がかかるため、ある程度の栽培面積がないと、採算が合わないのです。
そこで、茶農家を続けようとするところは、栽培面積を増やしていかなければならないのです。
若い人は、お茶をのんでいるのですか。
急須にお茶をいれて飲む方法以外にも、現在ではドリンク状になった緑茶飲料が出回っています。
これらの消費が、最近では非常に伸びています。
酸性食品とアルカリ性食品
Ca.Na.K.Mgなどは体内でそれぞれCa2+.Na+.K+Mg2+などの陽イオンとなり、アルカリ性を呈する。一方PやSはPO3-やSO2-のようなイオンとなるので酸性を呈する。体内で前者のような陽イオンを多く残す食品をアルカリ性食品、後者のような陰イオンを多く残す食品を酸性食品という。
遮光下で生育した新芽は、録茶用としての品質がすぐれるため、玉露などの生産を目的とした茶園の被覆栽培が古くから行われてきた。
従来はよしず,わら等が被覆用として、用いられてきた。最近は化学繊維被覆資材(クレモナ)が開発されている。
かぶせ茶を生産するための遮光率は、約60~90%、7~10日間で夏茶(二番茶)の改善にも用いられる。
かぶせ茶では光が制服されるため、茶芽は露天と異なった生育や形態的変化を示し、その程度は遮光率、かぶせる期間等によって異なる。
新芽の生育には炭水化物などの光合成で生産される成分が必要で、それらは新芽生育時に成葉で生産されて運ばれるが、根などの貯蔵炭水化物も移行して使われる。遮光下ではこうした光合成が制限されるため、貯蔵炭水化物への依存度が高まるので、強度の遮光栽培では特に樹体の成分貯蔵が重要となる。
一般に、生育中の新芽は熟度が進むにつれ、含有水分が減少し、全窒素含有率も低下するが、かぶせ茶はこのような低下が抑えられ、粗繊維の増加も抑制される。また、テアニン、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸類の含量も高く維持される。
茶のうま味の主成分とされるテアニンは、根でエチルアミンとグルタミン酸から生成され、地上部へ運ばれ新芽にも移行する。
テアニンは葉中で光の影響を受けてカテキンに変化する。
したがって遮光下ではこのような変化が抑えられるため、新芽内にテアニンのかたちで保持されることになる。
玉露、かぶせ茶など被覆栽培によって生産される茶にうま味が多く、渋味が少ないのは、このような変化によるといえる。さらに新芽の葉緑素含量の増加も遮光下で起こる特徴の一つで、遮光の程度が強いはど含量は多く、緑色を増す。
玉露(かぶせ茶)は、茶樹がもともと樹林の下生えとして育つため、耐陰性をもっていて、しかも緑茶の、旨み成分であるテアニンが日射を制限することによって、急速に増加する特質を利用して開発された高級茶である。
1.お茶のはじめ
お茶は、ツバキ科の多年生の植物で、年中、葉を落とさない常緑樹である。
茶の原生は、中国の雲南省方面であるとの説が有力であるが、日本の原生茶樹もあるという説もある。
茶樹は、中国種とアッサム種に大別され、日本の茶樹は、中国種に入る。
茶の産地は、東南アジアに集中しており、中国、インド、インドネシア、ベトナム、台湾、日本など温暖で湿潤な温帯や熱帯に位置し、日射量の多い地域では、紅茶が盛んで日本などの比較的冷涼な地域では、緑茶が多い。
茶の花は、白く可憐で、秋に咲き、実もできる。
日本の場合、自然の茶の木からこぼれおちた茶の実が地面におちて、自然に発芽することができるので、茶の実から育てる方法もあるが、現在の茶栽培では、挿し木による品種茶園が、生産の大多数をしめている。
写真 茶苗・冠山茶の木原(四日市史跡)
2.国内のお茶産地
日本国内のお茶は、静岡県、鹿児島、三重県など広く分布しており、三重県の伊勢茶は全国第3位の生産量で、北勢地域の「かぶせ茶」をはじめ一般的な煎茶は鈴鹿、亀山、飯南、飯高など広く分布し、南勢方面では、深蒸し煎茶の良品が生産される。
お茶といえば宇治茶というくらいなじみが深い京都は、生産量としてはさほど多くないが、歴史的には、長い伝統と格式を持つ産地である。
静岡県は、全国生産の50%近くを生産する大産地であるが、歴史はさほど古くない。
また、生産量2位の鹿児島県は、近年益々生産量を伸ばし、機械化の進んだ産地である
写真 南勢・茶摘み
3.お茶の種類
お茶は、大きく分けると紅茶、烏龍茶、緑茶に分けられる。
これは、収穫された後にどのように製茶されるかによって変わり、紅茶を発酵茶、烏龍茶を半発酵茶、緑茶を不発酵茶という。
これは茶に含まれる、発酵酵素の働きの度合いで分類するわけ方で、発酵茶はこの酵素を利用し考え出された製法で、世界的に見ると、不発酵の緑茶は少数派である。
これは、不発酵の緑茶は紅茶や烏龍茶に比べると香り成分の含有量が少なく、一般的に淡白な茶となり、おいしい水がないと、茶の良さが味わえないことに原因がある。
幸いなことに、日本は水に恵まれた土地柄で、緑茶の良さを味わう事ができる数少ない国だからである。
紅茶と緑茶を比較することは、嗜好によるわけであるが、緑茶の香りは非常に繊細でどちらかというと、強い香りではない。
その微妙な香りや味を味わうために、日本では、古くから茶道が発達し、歴史に名を残す文化人が輩出し、現在では日常生活に深く浸透している。
緑茶の特徴は、発酵させないために、ビタミン類が良く残り、あたかも保存野菜のごとき様相を呈している。
写真 献茶(四日市市水沢町で毎年4月29日に行われる献茶神事)
4.健康維持に有効といわれるお茶
昔、栄西が、鎌倉幕府将軍にお茶を献じ、その時「喫茶養生記」で、お茶の健康維持について「茶は養生の仙薬」と評したことは、有名である。
日本人は、永い歴史のなかで、経験的にお茶が健康維持に効果のある事を知っていました。
最近、お茶の成分についての研究がすすみ、お茶に含まれる成分が、人体にとって非常に有効であることが、学会報告、新聞やTVで盛んに報じられています。
最近特に注目されているカテキン類は、ガンや成人病の予妨などに効果があるといわれ保健飲料としての緑茶を再認識させている。
しかし、お茶は、やはり嗜好飲料として、日常的に飲用されるところに主眼があり、おいしく、楽しく、人間関係の潤滑油として飲まれているうちに、知らず知らずに健康維持にやくだっていたというのが、本来のすがたのように思われる。
5.色々なお茶
日本で一般的な、茶の葉を急須に入れて浸出する飲み方のほか、漬物のようにして食べるラぺソー、幻の茶といわれる高知県の碁石茶とか徳島県の阿波番茶、それに島根のボテボテ茶などあまり知られていないけれども、色々なお茶がある。
最近では、粉末茶を食べることも注目を集め多様な用途に利用され始めている。
それとは、別に、缶やペットボトル入りのドリンクがスーパー、コンビニなどに多数登場し、急須を使った従来の飲み方とはまったく違う消費も、急激に増えている。
写真 碁石茶・てんぷら・ムース
6. おいしく飲む秘訣
お茶の飲み方は、茶道に代表される文化としての飲み方もあるが、日常的に飲む場合の秘訣がある。
お茶の味は、アミノ酸の旨みとカテキンの渋味のバランスによって決まる。
アミノ酸が多ければ、まろやかな味となり、カテキンが多ければ渋味の強いさっぱりとした味となる。
そこで、お茶をいれるとき、湯の温度を調節することで、この味のバランスを変えることができる。
アミノ酸は、低い温度でも比較的容易に湯に融け出てくる。
それに比べカテキンは、高い温度でないと融けでない。そこで、旨みを味わう場合は、低めのお湯(50度程度)で、渋さを味わう場合は、高めのお湯(90度程度)を使うことで、味をコントロールすることができる。
7. お茶の違い
まず、お茶は、原料となる茶の葉によって品質が大きく違う。
産地でも当然味や香りは違うが、それよりも収穫時期による違いが大きい。
日本では、通常年3回から4回程度お茶が収穫される。
1回目が5月頃で、これが新茶で、1番茶といわれる。2回目は7月ころで2番茶である、3回目は10月で秋番茶といわれる。
三重県以外の県では8月に3番茶を収穫するところもあるが、三重県では、収穫されない。
商品として販売される場合、上級なものは、1番茶を主とし、安価なものは2番茶や3番茶を主とするものが多い。
一般的に番茶といわれているのは、秋番茶をさす場合が多い。
写真 茶刈 |