伊勢茶の郷(TOP)
伊勢茶の郷すいざわ(挨拶)
みなさん、こんにちは。 鈴鹿山脈の麓、伊勢茶で有名な水沢へようこそいらっしゃいました。 今から伊勢茶のことを、たくさん覚えて帰りましょう。
伊勢茶の郷すいざわ(伊勢茶の概要1)
三重県は、全国第3位の生産量の全国的にも有名なお茶の産地です。 約3800ヘクタールの茶園から年間約7千トンのお茶がつくられています
伊勢茶の郷すいざわ(伊勢茶の概要2)
伊勢茶とは 三重県で栽培され、製茶されたお茶の事をいいます。「煎茶」「かぶせ茶」「深蒸し煎茶」など、地域の特性を活かしたお茶作りが行われており、すいざわの「かぶせ茶」は特に有名です。毎年行われる、お茶の品評会で常に上位を 独占する優良な品質と共に、三重県を代表する生産量があり、県内で、もっとも 茶作りが盛んな産地として 知られています。
水沢は三重県の中でも中心的なお茶どころで、鈴鹿山脈の鎌ケ岳、雲母峰(きららみね)の麓・扇状地帯に広大な茶園が広がっています。
気候は適度な降水と礫質の土壌がお茶作りに適しています。
お茶の原産地は、中国の雲南省(うんなんしょう)の「シーサパンナ」と言う地域です。 シーサパンナという所は、お茶や稲の生まれた所で、納豆、しょうゆ、味噌など、日本の食文化と似ていることが知られています。
日本茶の歴史(茶の伝来)
日本にお茶が伝わったのは、今から千年以上も前、奈良時代から平安時代と言われています。 中国へ渡った僧侶により、日本へ持ち込まれたとの記録が残されています。
遣唐使船により中国へ渡った人々の中に空海がいました。空海は中国で真言密教を学び、その後の日本文化に多大な影響を与えた人物で、各地に多くの逸話を残していることでも有名です。
日本茶の歴史(鎌倉時代)
鎌倉時代には、栄西が中国からお茶の種を持ち帰り、九州の背振山(せぶりやま)や京都の栂尾(とがのお)などに植えました。 その後、栄西は「喫茶養生記」をあらわし、その中で「養生の仙薬」として、健康に優れた働きをする飲み物としてお茶を紹介しています。
日本茶の歴史(室町時代)
室町時代になると、村田珠光(むらたじゅこう)がわびさびを唱え、これが千利休へ受け継がれ、茶道として発展しました。 江戸時代に入ると、現在一般に行われている煎茶が庶民に普及し始めます。
日本茶の歴史(明治時代)
明治時代になると、外国との貿易が始まりました。 そして、貿易が盛んになるにつれて、お茶の輸出が増え、伊勢茶の生産量も増えました。
日本茶の歴史(大谷嘉兵衛)
三重県出身の大谷嘉兵衛は、当時横浜にあったスミス・ベーカー商会という製茶輸出商社で、お茶の買い入れを担当していました。 日本各地から大量にお茶を買い付けて輸出し、日本茶を世界へ広めるとともに三重県のお茶生産にも力を入れ、伊勢茶の基礎を作りました。
日本茶の歴史(嘉兵衛胸像)
三重県飯南郡飯高町には、 大谷嘉兵衛の茶業界での活躍を称え、胸像が建てられています。
昔々、水沢に飯盛山浄林寺 (いいもりさんじょうりんじ)というお寺がありました。ある日村人が、浄林寺に立ち寄ると、住職の玄庵(げんあん)が、なにやら囲炉裏で木の葉を炒っていました。 村人が、それは何かと尋ねると、住職は 「これはお茶というもので、先代の住職のころ、空海という僧侶が水沢に立ち寄ったときに分けてもらい、これを飲むと、眠気がさめ、体の調子がとても良い」と話した。村人はそれを分けてもらい栽培したと言う話が 水沢に残っています。
全国に色々な逸話の残る、空海は、平安時代のはじめの頃の有名な僧侶で水沢にはこの話のほかに、弘法杉とか、弘法井戸などの話が語り伝えられています。
水沢のお茶の歴史(冠山茶の木原)
室町時代になると、水沢の宮妻町本郷(みやづまちょうほんごう)という場所に光明寺(こうみょうじ)が建てられました。 このお寺は足利将軍から許可をもらいたてられたもので、このお寺の薬草茶園としてお茶が栽培されるようになりました。 当時、茶園があった場所が現在の「冠山茶の木原」と考えられています。 冠山茶ノ木原は、四日市市の史跡に指定され約2メートルもある茶の木が斜面一帯に自生しています。
水沢のお茶の歴史(中川教宏)
江戸時代終わり頃、常願寺の住職「中川教宏」は、水沢がお茶作りに適した土地柄であることを見抜き、村人にお茶作りをすすめました。 明治に入り輸出産業として水沢ではお茶作りが勧められ、現在では、四日市を代表する地場産業として、多くの人々に愛されています。
お茶は、まず苗木を育てます。 昔は種をまいて苗木を作っていましたが、現在は挿し木で苗木を作り、二、三年経ったてから茶園に植えかえます。 品種は、「ヤブキタ」が多く、 有機肥料を主体として元気 のある茶の木を育てること によっておいしく、香りのい いお茶作りを目指してます。
お茶作り(防霜ファン)
三月から五月はじめにかけて、冷たい霜が、やっとでてきた新芽を痛めつけます 霜に痛めつけられたお茶は、収穫できなくなり、手塩にかけて育てたお茶が台無しになります。 寒い夜になると防霜ファンが回り、霜からお茶の葉を守ります。
お茶作り(収穫)
五月、一番茶の収穫が行われます。 新芽が出はじめると、水沢では「かぶせ茶」をつくるために、新芽に黒い覆いをして、一週間から二週間たってから刈り取ります。
お茶作り(秋番茶)
そして、十月に秋番茶の収穫が行われ、収穫が終わると次の新茶の時期までの間、茶の木を休ませ茶園を整備します。
安心安全な伊勢茶づくり(生産履歴)
三重県では、平成十五年度から、「安全安心な伊勢茶づくり」をすすめるため、生産履歴の記帳を始めました。 いつ頃、肥料をおいたのか、農薬はどういうものを使ったのか、など、細かく記録するようにしています。
お茶作り(茶収穫の変遷)
お茶の収穫は、昔は手摘みで行われていましたが、現在は、ほとんどが機械で刈り取られています。 昭和の始めに、茶刈鋏が使われるようになり、昭和三十年には、可搬型の茶刈機が導入されました。
お茶作り(乗用型刈り取り)
最近は乗用型が増えてきています。
製茶1(蒸し・冷却・粗揉)
収穫した茶葉は、すぐに荒茶加工工場へ運ばれ、荒茶に加工されます。 荒茶加工工場に運ばれた茶葉は、生葉の発酵を止めるため、蒸気で蒸しながら殺菌されます。 蒸された茶葉の表面の水分を取り除きながら冷やし、揉みながら熱風で乾かします。
製茶2(揉捻・中揉・精揉・乾燥)
葉に圧力を加え、水分の均一をはかりながらもまれます。 再び、揉みながら熱風で乾かし、葉に熱と圧力を加え形を整えながら乾かします。 そして、揉みあげた茶葉を充分に乾かしたら、荒茶の完成です。
製茶3(出荷)
出来た荒茶は、30キロずつ袋に詰められ茶市場へ運ばれます。
水沢茶農協は昭和33年にできました。 茶農協では、大きく分けて4つの仕事をしています。
1-生産指導
2-斡旋販売
3-保管
4-仕上加工
水沢茶農協の仕事-1(生産指導)
良いお茶、高く売れるお茶を作るためには、お茶に合った土作りが肝心です。 防霜ファンで霜を防ぐ事、お茶の葉に虫がつかないように手入れをする事、かぶせ茶の黒い覆いはどのくらいの期間するのか、などについて指導しています。
水沢茶農協の仕事-2(斡旋販売)
荒茶を茶問屋に売ります。 お茶の葉の色、形、香り、味をみて、値段を決めます。 買い手が決まると、手を3回叩きます。 このようにして、お茶が売られていきます。
水沢茶農協の仕事-3(保管)
冷蔵庫でお茶を保管します。茶農協には冷蔵庫が4つあり その中には30キロ詰めのお茶の袋が約8万本 重さにして約2400トンのお茶が保存できます。 冷蔵庫の中の温度は、一年を通して0度から5度の間に保たれ、味や香りが変わらないよう、大切に保管しています。
水沢茶農協の仕事-4(仕上加工)
仕上加工は、荒茶を葉・茎・粉などに分けて、葉の大きさを揃え、よく乾燥させ、味や香りを引き立てます。 その後、商品として出荷され、お店に並びます。 その他、茶農協には、商品開発室があり、お茶の分析や新しい商品開発を行っています。
お茶の種類は、緑茶、紅茶、ウーロン茶などがあります。
お茶の種類(玉露・かぶせ茶)
玉露やかぶせ茶は、新芽に覆いをして直射日光を遮る方法で作られ、うまみとまろやかさが特徴です。
お茶の種類(煎茶)
煎茶は、最も親しみのある緑茶で、適度の渋味があり、清涼感のあるさっぱりとした後味です。
お茶の種類(くき茶・かりがね)
くき茶(かりがね)は、上級煎茶や玉露の製造の時にできる茎だけを集めたもので、すっきりとした味わいが楽しめます。
お茶の種類(柳茶)
柳茶は、若芽が伸び、硬くなった葉で作られたお茶で、味はあっさりとしています。
お茶の種類(ほうじ茶)
ほうじ茶は、柳茶を強火で炒り、香ばしい味と香りが楽しめる、軽くさっぱりとした風味です。
お茶の種類(番茶)
番茶は、夏や秋に摘んだ、大きく硬くなった葉を原料としたお茶です。 秋に摘んだ番茶には、血糖値を下げ、糖尿病を予防する効果があるといわれている「ポリサッカライド」がたくさん含まれています。 血糖値の高い人や、子供にもおすすめのお茶です。
お茶にはたくさんの成分が含まれています。 お茶は昔、薬として飲まれていたと言われ、現在も健康飲料として注目されており、とても体に良いことがわかっています。
お茶の成分(カテキン)
緑茶に含まれるカテキンには、ビタミンEの数十倍もの抗酸化力があり、がんの予防や高血圧などの生活習慣病に効果があります。 また、血中コレステロールをおさえる働きがあるので、動脈硬化の予防にも役立ちます。 その他、食後に緑茶を飲むだけで、虫歯を防いだり口臭の予防になり、うがいをすると風邪の予防にも効果的です。
お茶の成分(テアニン)
テアニンは、脳に直接働いて神経の乱れを鎮め、心身の疲労を回復させるリラックス効果があります。
お茶の成分(ビタミンA)
ビタミンAは、肌の老化を防ぎ、はりのある肌を作ります。 また、ビタミンAと同じ働きをするカロテンもたくさん含まれているので、潤いのある肌を維持することができます。
お茶の成分(カフェイン)
運動前に緑茶を飲むと、お茶に含まれるカフェインが脂肪を燃焼させ、体内の余分なものを取り除いてくれます。 カフェインには、眠気さましの効果もあります。
お茶の成分(ビタミンC)
緑茶には、レモンの約5倍の量のビタミンCが含まれています。 しかも、ノンカロリー飲料なので、ダイエットにも効果的です。 さらに、肌の弾力の元であるコラーゲン生成にも関わり、シミ・ソバカスを防いだり、喫煙により失われるビタミンCの補給にも役立ち、美容にとても良い飲みものなのです。
お茶の成分(粉末茶)
緑茶の栄養分を100%摂取するには、粉末にした緑茶をとるのが最適です。市販されている粉末器を使うと一瞬で粉末にできるので便利ですが、すり鉢ですったりして、自分でも簡単に粉末緑茶を作ることができます。また、茶葉をそのままご飯にふりかけたりして食べるのも良いでしょう。
伊勢茶は皆さんとともに(素敵な飲み物)
このように、緑茶は美容にも健康にも効果的な飲み物です。 お茶香炉を焚いたり、お茶風呂に入って日頃の疲れを癒しててみてはいかがでしょう。 毎日飲む習慣をつけ、健康な体を維持しましょう。
伊勢茶は皆さんとともに(水沢のお茶を飲みましょう)
日本人が古くから親しみ育ててきた緑茶は、今では、日常生活に無くてはならない飲み物となっています。 特に現代のような複雑で忙しい時代にこそ、長い歴史の中で育てられた味と香り、そしてそれを楽しむ文化を大切にし、余裕のある生活を送りたいものです。